• 私の「誠実と革新」 Vol.03

企業の意思決定を支える
仕事ってナンダ?

私の「誠実と革新」Vol.03

意思決定マネジメントに
情熱を注ぐ

経営企画部
BSCオフィス&コーポレートガバナンスマネジメント
課長代理

農澤 翔平

※2022年4月よりタケダのサステナビリティへの取り組み強化のため、BRC(ビジネス・レビュー・コミッティー)はBSC(ビジネス&サステナビリティ・コミッティー)に改編。本記事は2022年3月までの内容に基づいて記載。

東京証券取引所の市場区分の再編を機に、企業のコーポレートガバナンスが注目されている。企業には公正で迅速な意思決定が求められている中、タケダは取締役会と経営会議体、すなわち監督と執行を適切に機能させることで効率的な意思決定を実現している。その重要な経営会議体の運営を支える農澤翔平さんに、迅速な意思決定の裏側と仕事にかける想いを聞いた。

タケダの意思決定の
仕組みとは

タケダの意思決定体制の特長はどのようなところなのでしょう。

タケダでは、取締役会から執行側に一定の権限の委譲が行われており、監督と業務執行の役割の違いを明確化し、経営陣が迅速に意思決定できる体制をとっています。

取締役会から権限委譲を受けている事項に関しては、タケダ・エグゼクティブ・チーム(TET)※が参加する3つの経営会議体で意思決定に当たっていて、承認された内容は取締役会に報告された上で、タケダの企業理念や行動規準に沿うものかも含めて監督されています。

このように監督・業務執行が適切に機能することで、患者さんへ革新的な医薬品をお届けすることにつながっています。

※タケダ・エグゼクティブ・チーム(TET)
社長兼CEO、及びタケダグループの各機能の統括メンバーで構成される組織。

農澤さんはどのように意思決定に関わっているのでしょうか。

私は、3つの経営会議体のうち、経営および事業開発案件を主に所管するビジネス・レビュー・コミッティー(BRC)の事務局のメンバーとして意思決定をサポートしています。具体的には、社内の各部門から提案としてBRCに持ち込まれる案件を、タケダグループの決裁権限が規定されている「タケダグループの経営管理方針(T-MAP)」に照らし合わせて、BRCで議論・承認すべきものかなどを確認し、会議アジェンダの調整を行います。

BRCの限られた会議時間の中で、有意義な議論に基づいた意思決定へと導くため、各案件の影響範囲や会議での論点も想定しながら、追加検討や関係部門との事前調整を求めるなど、提案内容の質を高めて、意思決定を資料作成の面からもサポートしています。

提案部門の想いに応える

日常業務ではどんなチャレンジがありますか。

BRCに提案される案件を迅速に実施へと進めてもらえるよう、スムーズに承認まで持っていきたいと思う一方、確実に十分な検討がなされることも大切で、このバランスが難しいです。

BRCには多くの案件が掲題されますが、どの案件も関与したメンバーたちが情熱をもって取り組んできたものです。したがってBRCに辿り着くまでに提案部門がどれだけのステップを踏み、時間をかけているかを想像しつつ、丁寧にヒアリングをして事前準備をサポートすることで想いに向き合い、プロジェクトに伴走する意識で取り組んでいます。

責任やプレッシャーも大きいのではないでしょうか。

はい、非常に重要な役割を与えられていると感じていますが、私は前職のコンサルティングファームにて、さまざまな業界のクライアント企業を支援しておりましたので、製薬企業の背景や組織についての知識、論理的思考、コミュニケーション力、資料作成などにおいて、前職で培ったスキルや経験を活かせていると思います。プロジェクトの課題、あるべき姿は何か、スムーズに進めるためには誰を巻き込むべきかを、常に意識することを習慣としていましたので、今でもBRCに提案が上がってきたとき、承認を受けた先にどういった影響があるのか、承認を得るためにどの部門と事前の合意形成が必要かなど、アンテナを張るのに役立っています。

タケダグループ全体の意思決定を俯瞰してサポートするポジションなので責任やプレッシャーは正直大きいですが、私自身が成長しながら活躍できる環境でもあり、やりがいを強く感じています。

多様性を力に変える
タケダの文化

チームのメンバーとはどのように関わっていますか。

経営企画部では、役割・業務が分担され、各自が独立して機動的に仕事ができる体制になっています。一方で、経営企画部メンバーへのBRCの掲題案件の事前ブリーフィングや、承認された案件を取締役会に報告するための取りまとめなど、業務によっては連携して進めています。

また定期的なチーム会議では、個々が推進しているプロジェクトの進捗や各自が持っている知識や経験の共有も行っています。そこでの共有事項が、TETへの適切な資料配布のタイミングの設定など、事務局運営に役立つことが多々あります。私もこれまでの知識や経験の中で、メンバーの役に立ちそうなものは共有して、チーム全体のスキルアップに貢献しようと心掛けています。

他にもBRCと並列する他の会議体との共有も欠かせません。研究開発やパイプラインについて意思決定を行うポートフォリオ・レビュー・コミッティー(PRC)事務局と、リスクや企業倫理、コンプライアンスに関して意思決定を行うリスク・エシックス&コンプライアンス・コミッティー(RECC)事務局と一緒に、運営上での良かった事例を共有したり、関連するトピックの承認状況を確認し合あったりするなど、重要な経営会議体がスムーズに進むように協力し合っています。

他部署の方とも同じような関わり方なのでしょうか。

他部署の方ともよくお話します。BRCには日本国内はもちろん、タケダの拠点がある米国ボストンやスイスをはじめ世界中から案件が来るため、海外のメンバーと話す機会も多いです。初めて関わるメンバーには、タケダでどんなことをしているのか、どんなバックグラウンドを持っているのかなど教えてもらうのですが、国籍も背景もさまざまで刺激を受けています。

互いの専門性を理解し、知識や経験を自然と共有する文化はタケダの特徴的なカルチャーだと思います。お互いが過去の経験や今の仕事にかける想いをリスペクトし支え合うことが、組織の力になっていると感じています。

全てはパーパス実現のために

コーポレートガバナンスにおいて、タケダの強みはどのあたりにあるのでしょう。

仕組みとしてガバナンスが整っているのはもちろん、個人・チーム単位でも機能していることが強みだと感じています。それは、明確なパーパスに向かって組織・個人が動いているからなのではないでしょうか。実際に、私は事務局メンバーとしてBRCの会議にも参加していますが、タケダイズムを体現する優先順位を示すPTRB(下記の図を参照)に沿って検討された内容が、提案部門のプレゼンテーションにも出てきますし、TETメンバーの議論の中でもよく耳にします。そのたびに私は、PTRBはスローガンとして掲げられているだけのものではなく、従業員に浸透しているのだなと感じています。

タケダの従業員が皆で同じ目線で動いている。私がすぐに周りと連携できたのもパーパスを従業員全員が共有していて、自分もそれを理解し体現しようとしているからだと思います。

農澤さんが世界に尽くしていると感じる瞬間について教えてください。

BRCではさまざまな案件が意思決定されるのですが、例えば、事業開発案件がBRCで承認された後に、実際にニュースリリースを確認すると、インパクトがとても大きい案件に関わっていたことを改めて実感します。医薬品を通じて、タケダが患者さんに寄り添うための、懸け橋の一部になっているのだと感じる瞬間です。

また、新薬の上市チームによるプロジェクト発表会で、一日でも早く薬を患者さんに届けようと情熱を持って取り組んでいる仲間の姿を見る機会がありました。そういったプロジェクトも、経営会議体での意思決定を経て上市まで進んだことを考えると、私がBRCにおける意思決定プロセスの効率化に貢献することで、新しい薬を早く患者さんに届けるための一助になれているのかなと感じ、身が引き締まる思いです。

今後、実現したいことがあれば教えてください。

製薬業界は大きな変化の途中にあると感じています。目まぐるしく変わる環境に適応していくために、我々が関わる意思決定の進め方もより迅速に、高いレベルを目指す必要があると考えています。意思決定プロセスに関わる課題の改善にも力を注ぎ、迅速な意思決定を引き続きサポートしていきたいと思っています。

PROFILE

農澤 翔平

経営企画部 BSCオフィス&コーポレートガバナンスマネジメント 課長代理。前職でM&A後の組織・業務の統合や組織再編に関わった経験を活かし、現在はBSC事務局で経営上・業務執行上の重要事項の審議・意思決定のサポートに携わる。

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